試験問題から実務を見てみよう
昨日のブログ記事
sr-future.hateblo.jp
最後の方に、「仮に使用者が兼業を容認した場合、労働時間に関する規定の適用について通算するとされていることに留意する必要があります。」と書きました。
こういったことは、社会保険労務士試験においても問われています。
実際に試験問題を見てみましょう。
〇か×でお答えください。
問題
労働基準法上の労働時間に関する規定の適用につき、労働時間は、同一事業主に属する異なった事業場において労働する場合のみでなく、事業主を異にする事業場において労働する場合も、通算される。
解答
〇
解説
労働基準法は、第38条1項において「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」と規定しています。
そして、ここでいう「事業場を異にする場合」とは、同一の事業主に属する異なった事業場において労働する場合のみならず、事業主を異にする事業場において労働する場合も含まれると解釈されています。
例えば、A事業場で8 時間働いた後にB事業場で働く場合は、B事業場での労働が時間外労働となります。これはA事業場の使用者とB事業場の使用者が異なる場合でも同じであると考えられています。
そのため、この問題の正解は、〇になります。
(なお、詳しく知りたい方は、昭和23年5月14日基発769号をご覧ください。)
ちなみに、この問題は平成22年にも同様の問題が出ています。
実務上重要な箇所は、試験問題でも問われることが多いということですね。
【参考問題】
労働基準法第38条第1項に定める事業場を異にする場合の労働時間の通算については、同一事業主に属する異なった事業場において労働する場合にのみ適用されるものであり、事業主を異にする複数の事業場において労働する場合には適用されない。
(平成22年 労働基準法問5-D)
さあ試験問題を見て、焦った人。
試験勉強に戻りましょう。
僕も少し仕事します。
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